エトワール・エトセトラ

主に舞台(宝塚)、ドラマ、映画

星組1789東京大千秋楽:②本編 ロナン、オランプ/立場を越えた恋

 続いて、1789ーバスティーユの恋人たちーの本編について、登場人物を中心に感想を書いていこうと思います。

全体の感想

宝塚千秋楽と東京千秋楽をライブで見ました。私は、今回の東京版の方が好きです。もちろん、宝塚版も好きです。

 東京版は全体的に明るい感じがしました。だからこそ、後半の悲しさや苦しさ、葛藤がドラマチックに際立っていました。

名も知られぬ一市民であるロナンを主人公であることで、民衆の苦しみ・怒り、そして勇気が伝わり、単に歴史の教科書に載っている出来事ではなく、実体を持って現代人の私たちに”自由”とは何か問いかけていると感じました。

主要な登場人物の感想

 

 ロナン・マズリエ(礼真琴):父を殺された青年が仲間に出会って、いろんな出来事を経るごとに成長していく姿が素晴らしかったです。特に印象的なのは、”自由と平等”のシーンです。同じ革命派、市民でもそのなかにも格差・壁があり、真に分かり合うことの難しさ・ロナンの今までの苦しみが切なかったです。ロナンのような人々が真にフランス革命という救いを求めていたのではないかと思いました。彼らが自由に生きることができる時代を目指して迷いながらも苦悩しながらも進む姿がかっこよかったです。

 はつらつとした青年なのだけど、どこか切なさのあるロナンでした。

 礼真琴の芯のあって深みのある歌声がロナンの実直さ、時に切なさを、キレのあるダンスがロナンの熱さと重なって、名演でした。

 

 オランプ・デュ・ピュジェ(舞空瞳):心優しく生真面目ゆえに革命派の想い人と自分が仕える王族の間で揺れ動く心情が切なかったです。ロナンの救出が彼女の心優しさ・生真面目さがとても表れていて、そんな彼女だからこそ、ロナンは心惹かれたのだと思うし、マリーも心から信頼して気にかけていたのだと思いました。

 マリーとの最後の別れと”許されぬ愛”がすごく切なかったです。”愛し合う自由”の場面でのロナンの「自由になったらまた会おう」で、ロナンとオランプの別れを予感して、またそれも切なかった。ロナンにもう一度会えて、本当に良かった。ロナンとの愛を選んだオランプにとってロナンに武器を渡すときは、本当に辛いものだったと思う。

 でも、強さと優しさを持ったオランプは、ロナンとの思い出を大事にしながら生きていけるんだろうなと感じ、物語の悲しさの中に一つの希望を感じました。

強さと優しさ、そして、チャーミングさを兼ねそろえたオランプは最強のヒロイン。なこちゃん、今回も最強にかわいかったです!

 

 長くなりそうなので、いったんこれで。

 他の登場人物については次の記事で語っていこうと思います。